第10 短期入所生活介護
 
4 小規模生活単位型指定短期入所生活介護の事業
 
  (3)  設備の基準(基準第一四〇条の四)
  @  ユニットケアを行うためには、利用者の自立的な生活を保障する居室(個室)と、少人数の家庭定な雰囲気の中で生活できる共同生活室(居宅での居間に相当する部屋)が不可欠であることから、小規模生活単位型指定短期入所生活介護事業所は、事業所全体を、こうした居室と共同生活室によって一体的に構成される場所(ユニット)を単位として構成し、運営しなければならない。
  A  基準第一四〇条の四第二項第一号に掲げている「ユニット」は、居室及び共同生活室のほか、洗面設備及び便所を含むものである。
  B  利用者が、自室のあるユニットを超えて広がりのある日常生活を楽しむことができるよう、他のユニットの利用者と交流したり、多数の利用者が集まったりすることのできる場所を設けることが望ましい。
  C  ユニット(第五項第一号)
     ユニットは、居宅に近い住居環境の下で、居宅における生活に近い日常の生活の中でケアを行うというユニットケアの特徴を踏まえたものでなければならない。
  D  居室(第一号イ)
    上記@のとおりユニットケアには個室が不可欠なことから、居室の定員は一人とする。ただし、夫婦で居室を利用する場合などサービスの提供上必要と認められる場合は、二人部屋とすることができる。
    居室は、いずれかのユニットに属しているものとし、当該ユニットの共同生活室に近接して一体的に設けなければならない。
 この場合、「当該ユニットの共同生活室に近接して一体的に設け」られる居室とは、次の三つをいう。
      a 当該共同生活室に隣接している居室
      b 当該共同生活室に隣接していないが、aの居室と隣接している居室
      c その他当該共同生活室に近接して一体的に設けられている居室(他の共同生活室のa及びbに該当する居室を除く。)
    ユニットの利用定員
       小規模生活単位型指定短期生活介護事業所は、各ユニットにおいて利用者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援するものであることから、一のユニットの利用定員は、一〇人以下とすることを原則とする。
 ただし、敷地や建物の構造上の制約など特別の事情によりやむを得ない場合であって、各ユニットにおいて利用者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援するのに支障がないと認められる場合には、利用定員が一〇人を超えるユニットも認める。なお、この場合にあっても、次の二つの要件を満たさなければならない。
      a 利用定員が一〇人を超えるユニットにあっては、「おおむね一〇人」と言える範囲内の利用定員であること。
      b 利用定員が一〇人を超えるユニット数は、当該事業所の総ユニット数の半数以下であること。
    ユニットの利用定員に関する既存事業所の特例
       平成一五年四月一日に現に存する指定短期入所生活介護事業所(建築中のものを含む。)が、その建物を同日以降に改修してユニットを造る場合にあっては、事業所を新増築したり、改築したりする場合に比べて、現にある建物の構造や敷地などの面で、より大きな制約が想定されることから、上記ハのbの要件は適用しない。
 また、平成一五年四月一日に現に存する指定短期入所生活介護事業所(建築中のものを含む。)が同日において現にユニットを有している(建築中のものを含む。)場合は、当該ユニットが改築されたときあ、この限りでない。
  E  共同生活室(第一号ロ)
    共同生活室は、いずれかのユニットに属するものとし、当該ユニットの利用者が交流し、共同で日常生活を営むための場所としてふさわしい形状を有するものでなければならない。このためには、次の二つの要件を満たす必要がある。
      a 他のユニットの利用者が、当該共同生活室を通過することなく、事業所内の他の場所に移動することができるようになっていること。
      b 当該ユニットの利用者全員よその介護等を行う従業者が一度に食事をしたり、談話等を楽しんだりすることが可能な備品を備えた上で、当該共同生活室内を車椅子が支障なく通行できる形状が確保されていること。
    共同生活室には、要介護者が食事をしたり、談話等を楽しんだりするのに適したテーブル、椅子等の備品を備えなければならない。
 また、利用者が、その心身の状況に応じて家事を行うことができるようにする観点から、簡易な流し、調理設備を設けることが望ましい。
  F  洗面設備(第一号ハ)
    洗面設備は、居室ごとに設けることが望ましい。ただし、共同生活室ごとに適当数設けることとしても差し支えない。この場合にあっては、共同生活室の一ヶ所に集中して設けるのではなく、二ヶ所以上に分散して設けることが望ましい。なお、居室ごとに設ける方式と、共同生活室ごとに設ける方式とを混在させても差し支えない。
  G  便所(第一号ニ)
    便所は、居室ごとに設けることが望ましい。ただし、共同生活室ごとに適当数設けることとしても差し支えない。この場合にあっては、共同生活室の一ヶ所に集中して設けるのではなく、二ヶ所以上に分散して設けることが望ましい。なお、居室ごとに設ける方式と、共同生活室ごとに設ける方式とを混在させても差し支えない。
  H  浴室(第二号)
    浴室は、居室のある階ごとに設けることが望ましい。
  I  廊下(第六項第一号)
    小規模生活単位型指定短期入所生活介護事業所にあっては、多数の利用者や従業者が日常的に一度に移動することはないことから、廊下の幅の一律の規制を緩和する。
 ここでいう「廊下の一部の幅を拡張することにより、利用者、従業者等の円滑な往来に支障が生じないと認められる場合」とは、アルコーブを設けることなどにより、利用者、従業者等がすれ違う際にも支障が生じない場合を想定している。
 このほか、小規模生活単位型指定短期入所生活介護事業所の廊下の幅については、第一〇の二の(4)を準用する。この場合において、第一〇の二の(4)中「静養室」とあるのは「共同生活室」と読み替えるものとする。
  J 小規模生活単位型指定短期入所生活介護事業所の設備については、上記の@からIまでによるほか、第一〇の二の規定((4)及び(9)を除く。)を準用する。この場合において、第一〇の二の(1)中「静養室、食堂、浴室及び機能訓練室」とあるのは「共同生活室及び浴室」と、同(8)中「静養室、食堂」とあるのは「共同生活室」と読み替えるものとする。
     

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